不安障害について

不安障害群とは、複数の種類の種類の障害が含まれています。その中で代表的ないくつかを紹介いたします。

限局性恐怖症

高いところ、クモなどの特定の生き物、先のとがったものなど、特定のものや状況に対して強い恐怖心を抱きます。以下に紹介するパニック発作を併発することも少なくありません。

広場恐怖症

局限性恐怖症と似ているのですが、電車やバスなどの公共の交通機関に乗ること、広場などの広い場所にいること、反対に映画館など閉鎖された空間にいること、人混みにいることなどに強い恐怖を抱くものです。これもやはりパニック発作を伴うことが珍しくありません。

パニック症

パニック発作といわれる状態が突然襲ってきます。それ自体苦しいものですが、「いつ発作が起きるか分からない」という不安（予期不安といいます）で外出が困難になり、日常生活に支障が出てきます。パニック発作の症状には、動悸、発汗、体の震え、息苦しさ、胸がしめつけられる感じ、めまい、寒気、「このまま死んでしまうのでは」という不安な気持ちなどがあります。

社交不安症

いわゆる対人恐怖と呼ばれるものです。人の注目を集める状況が苦手で、人前でスピーチをする、誰かと雑談をしたり食事をするなどの行為に強い恐怖を感じます。ご本人は「人前で変なことをしないか」「緊張しているのがバレるんじゃないか」と深刻に悩んで苦しんでいます。

治療の例

不安障害群は、薬での治療とカウンセリングを組み合わせるが効果的といわれています。薬は患者様個人に合ったものを選ぶことが大事なので、飲んでみて効果は感じられたか、副作用はあったかなど、治療者に感じたまま報告することが大切です。

カウンセリングでは、怖いと思っているものに対して徐々に慣れるようにしていくやり方が代表的といえます。これだけ聞くと非常に怖い治療法に聞こえますが、実際には、まず体をリラックスさせる方法を学ぶことから始めます。それができてから、「ちょっとだけ怖いけど、我慢できる」というものをチャレンジするのです。リラックスした状態で少しだけ怖いものに向き合うことで恐怖心が和らぎます。そしてそれを繰り返していきます。

治療法に疑問があったり不安があるときは、治療者とよく話し合うことが重要でしょう。患者様に合わせて他のやり方を考えていくことも大切です。